「建設キャリアアップシステム(CCUS)」とは、技能者の就業履歴や保有資格等をシステムに登録・蓄積し、評価の適正化や処遇の改善を図る事を目的とした制度で、昨年4月から運用が開始されました。
国土交通省は、技能者登録の目標を、初年度(2019年度)で100万人、5年後に330万人としていますが、2年目の本年9月末で36万6653人と、目標には程遠い状況です。
またCCUSを活用し、技能者のレベルを4段階で判定する「能力評価制度」本年4月にスタートされましたが、レベル判定を受けた技能者は全国で3826人(2020年7月末時点)と、現段階では少数にとどまっています。
また建設労働者の処遇改善をめざし、職種別・レベル別の目標年収の設定について「2021年度中の実現を目指す」としていますが、まだ7職種(型枠・機械土工・内装仕上・建築大工・トンネル・圧接・基礎ぐい工事)に限って検討が行われている段階です。
また技能者登録にあたっては、郵送申請や受付窓口申請、電話受付が9月末で修了となり、来年4月からは登録料も引き上げられるなど、CCUSの運営・体制作りは、消して順調とはいえない状況です。
しかし、国土交通省は「2023年までに公共・民間を問わず、あらゆる工事でCCUSの活用を目指す」と、体制作りの強化を図るとしていますし、またCCUS利用前の「経験」を能力評価に組み込めるのは2024年3月まで(それ以降は技能者登録を申請しても過去の経験が反映されない)という定めがあることから、今後3年半ほどの間で、技能者登録やレベル判定の状況は大きく変わる可能性もあり、動向を注視していくことが重要です。
【技能者登録からレベル判定までの流れ】
◎技能者登録(IDカードの作成)を行う⇒(一財)建設業振興基金へ申請
※手数料:インターネット申請で2.500円(2021年4月から4.900円(詳細型)に変更)
◎技能者登録の後(IDカード発行後)にレベル判定を行う
◎レベル判定は、原則として「システム」への直接申請となる。
ただし、事業者登録をしている事業者だけしか「システム」にアクセスできないため、技能者がレベル判定を行うには、事業者登録をしている所属事業所等に代行申請を依頼する必要がある。
◎一人親方は、事業者登録をしていれば、自身で申請できる。
◎手数料は、判定手数料3.000円、カード更新手数料1.000円の合計4.000円
◎判定結果が出るまでには申請から1~2週間程度、レベル分けされた新しいカードの発行までには申請から1ヶ月程度の期間を要する。
~三重県建設労働組合中央支部~
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